金門の人から『魁星楼』と呼ばれている奎閣は、別名を奎楼、八卦楼ともいい、中国五文昌の一柱である魁星を祀っています。金門は以前、県に属していなかったため、孔子廟を建立することが許されていませんでした。金門の若者が科挙(官僚登用試験)を受ける前に合格祈願ができる場所として、後浦に住んでいて、かつて「貢生」の功名を得た林斐章が建立を提案して自ら銀千両を寄附し、1836年に後浦の塗山頭(現在の陳詩吟洋楼そば)に魁星を祀る楼閣を建立しました。楼閣は現在までに170年あまりの歴史があり、2度の改修工事(1944年と1963年)を経てもなお当時の精巧かつ古風な姿が残され、県の古跡に指定されています。
奎閣は一棟二楼三簷正六角形建築(閩南の伝統的な建築)で、全体的に採用されている簡潔明瞭な木造の建築技術により、建物の素朴さが強調されています。毎年受験の時期になると一連の祭事イベントが開催され、受験生の願いである合格を祈ります。