金門の伝統集落の一つ「欧厝集落」には閩南の伝統建築群が残っています。「庫池」により集落は上下社に分かれています。上社は祖廟と「二落大厝群(母屋が二つある建物)」を主とし、下社は「一落四挙頭(母屋が一つで廂が四つの建物)」に属する伝統家屋が多くなっています。整然とした「櫛の歯のような配列」を呈しているのが特徵で、これにより気温を調節する目的を果たしているのです。
「欧厝集落」を訪れる人の目的は、ほとんどが金門の日常生活を感じることでしょう。「欧陽祖廟」、「順天商店」の他、ここには観光スポットが多くありませんが、リアルな暮らしを眼にすることができます。平らな廂は「欧厝集落」の至るところで見られますが、海で生計を立てていた欧厝の住人にとって、平らな屋根は海産物を干すのに最適なのです。今では漁業は欧厝の主要産業ではありませんが、記憶が形としてしっかり残り、過去の記録を伝えているのです。
欧厝ビーチ 「欧厝集落」から十分ほど歩けば欧厝ビーチに到着です。細かな砂とゆるやかな海流の浜辺は、近隣の住民にとって大切な散歩コースであり、海水浴にも最適な場所です。けれどもここでのイチオシは海から昇る日の出です。干潮時には、ビーチ上に横たわる戦車遺跡が、行楽客が先を争って撮影する珍しい光景です。深い眠りについている戦車は、静かに戦事の夢をみているかのようです。